特集 第62回日本臨床眼科学会講演集(3)
専門別研究会報告
オキュラーサーフェス―眼科アレルギー研究会
熊谷 直樹
1
1くまがい眼科
pp.784-785
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102725
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はじめに
第17回日本眼科アレルギー研究会の学術講演会が,「免疫抑制剤点眼液の新展開」をテーマに,第62回日本臨床眼科学会においてオキュラーサーフェス研究会のなかで行われた。内尾英一(福岡大学)・熊谷直樹(くまがい眼科)が座長を務めた。
春季カタルは重症の増殖性結膜炎であり,上眼瞼結膜の巨大乳頭や輪部結膜の堤防状隆起などの増殖性変化を特徴とする。さらに春季カタル患者の多くでは遷延性角膜上皮欠損,角膜プラークなどの角膜上皮病変が生じ視機能が損なわれる。春季カタルの治療薬としては従来,抗アレルギー薬の点眼液と副腎皮質ステロイド剤の点眼液が中心的な役割を果たしてきた。しかし,前者は有効性が低く,後者にはステロイド緑内障の誘発などの副作用が生じるという問題点があった。
近年,免疫抑制薬であるシクロスポリンおよびタクロリムスの点眼液が春季カタルの治療薬として相次いで認可され,春季カタルの薬物治療は新たな時代を迎えた。本学術講演会では5人の専門家に免疫抑制点眼薬の作用機序,臨床的評価,使用方法,今後の展望などについてのご講演・ご討議いただいた。
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