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本研究会は,10月11日,京都国際会館Room B-1で開催された。演題は先天異常2題,後天異常5題の計7題で,そのうち2題は指定演題であった。
1.先天色覚異常の色誤認(指定演題) 中村かおる・他
中村らは,先天色覚異常の色誤認を色名呼称検査で正常者41名,先天色覚異常者209名に実施し,その結果をまとめ報告している。先天色覚異常者の内訳は,1型2色覚36名,1型3色覚30名,2型2色覚88名,2型3色覚55名であった。検査条件は,照明:D65を使用し200~500 lx,距離50cm,色票30mm×30mmサイズの12色相4色調および5段階の無彩色を順不同で提示し,赤・オレンジ・黄・茶・緑・青・紫・ピンク・白・灰色・黒の11語に限定して呼称させた。評価方法は,正常者の5%以上が答えた色名を正答,それ以外の答えを誤答としていた。
結果について,全色票の誤答率は1型・2型ともに2色覚>3色覚>正常色覚の順であった。正常者の色名呼称は色相により明確に区分され,ほとんどの色票で1~2個の色名に集中した。2色覚では,高彩度で青緑→灰色(1型2色覚)・紫(2型2色覚),黄緑→オレンジ,紫→青の色名呼称間違いが認められた。その他の色調では,青-紫,緑-茶の混同頻度が高かった。全色相にわたり,高明度をピンク・灰色・白,低明度を緑・茶・赤,低彩度を緑・茶・赤・ピンクなどばらばらの誤答であった。無彩色では,低明度→緑・茶・紫,高明度→ピンクに誤る傾向にあった。異常3色覚では,高彩度では正常色覚とほぼ同等の呼称が得られた。その他の色調では,2色覚と類似の誤答がみられた。異常3色覚では,2色覚に比べ程度が軽かったと報告していた。
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