第49回日本臨床眼科学会専門別研究会1995.11.10宇都宮
色覚異常
市川 一夫
1
,
北原 健二
2
1社会保険中京病院眼科
2慈恵医大
pp.436-437
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904787
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I.特別講演「着色眼内レンズの特徴」
最近着色眼内レンズが2種市販されるようになり,色覚異常研究会としても,着色眼内レンズの特性をつかんでおくことは重要であるので,北原教授に「着色眼内レンズの特徴」と題する特別講演をお願いした。水晶体の分光透過特性の求め方について生体で測る方法と摘出水晶体から直接測る方法があり,前者は生きたままの分光特性が求められるが光透過率の絶対値がわからないこと,後者は非生理的分光透過率を求めていることを示された。2種の着色眼内レンズと非着色眼内レンズを挿入したときの色の見え方の変化をCIEの色度図上にパネルD15の色がどのように変化するかを示し,非着色眼内レンズが明らかに青色方向に色が変化するのに対し,現在市販の着色眼内レンズはいずれも非着色眼内レンズに比べより生理的であることが示された。着色眼内レンズでは,先行するメーカーのものが20Dの標準レンズで後発のメーカーが10D以下の薄いレンズで,それぞれ色が正常より少しずれることが示され,改良の余地があることが指摘された。質疑応答では,瞳孔径と着色程度の問題,対象患者年齢と着色程度の問題,白内障術後の色変化について,これを是とするか否とするかについてまでの議論がなされた。
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