特集 第60回日本臨床眼科学会講演集(2)
専門別研究会
色覚異常
市川 一夫
1
1社会保険中京病院
pp.646-648
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101753
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今年の色覚異常専門別研究会は,先天異常と後天異常それぞれ1題づつ2題の指定演題と6題の一般演題があった。
岡島修(三楽病院)らの演題1「石原色覚検査表の改訂に向けて」は,国際的に評価の高い石原表の全面改定に向けて基礎データの分析を報告していた。国際版石原色覚検査表38表は,数字表と曲線表から成っている。曲線表は数字の読めない人を対象としており,実際にはほとんど使用されず判定の対象ともなっていない。一方,1980年に発刊された新色覚異常検査表(新大熊表)は石原・大熊表と呼ばれた旧版の改良型で,ランドルト環形式のため幼児にも使用可能であり,石原表の曲線表の代わりとなりうるものである。演者らは,三楽病院眼科,東京女子医科大学眼科,東京大学保健センターを受診した色覚異常者のうち,石原色覚検査表国際版38表の第1~21表で誤読数10以下であった75名を対象にして石原表・新大熊表の検査成績を検討し,石原表の各表の検出精度が高いことの確認と新大熊表自体の検出成績も石原表を補完できるほど良好であることを明らかにした。これらの結果から,改訂にあたり石原表の曲線表の代わりに新大熊表を用いれば,石原表の検出能力のさらなる向上につながると報告した。
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