今月の臨床 周産期救急と周産母子センター
周産母子センターの構想と現状
2.地域の現状 4)山口県
中村 康彦
1
,
佐世 正勝
1
,
中田 雅彦
1
1山口大学医学部附属病院周産母子センター
pp.1256-1258
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904480
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はじめに
本州の西の端に位置する山口県(東西135km,南北80km)の中には,人口10万人以上の中規模都市が山陽側に5つ,県央に1つ散在し,これらを中心とした生活圏が存在している.県の総人口は約154万人,年間出生数は約1.3万人,合計特殊出生率は1.42(平成11年)と,全国と同様に少子化傾向にある.山口県における先進周産期医療は,昭和55年,現在も活発な活動を続けている済生会下関総合病院に周産期母子医療センターが開設されたことにそのルーツがある.この時代,周産期医療に対する取り組みには全県的な広がりはなく,県の西端のみが全国トップレベルを誇るという突出した状態であった.ちなみに,平成元年の山口県の新生児死亡(出生千対)は3.4(全国:2.6),周産期死亡(出生千対)は14.4(全国:12.1)という惨憺たる状況であった.平成2年,こうした山口県の周産期医療の現状を憂い,山口大学医学部附属病院に,産婦人科,小児科を中心に関連各科が協力し合って「母子医療センター(現 周産母子センター)」が稼動を始めた.ここに,行政によるバックアップをも受けた山口大学医学部附属病院主導の周産期医療に対する全県的な取り組みがスタートした.
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