北から南から
山口県公衆衛生協会長野瀬氏に決定—第17回山口県公衆衛生学会の印象,他
S. D
pp.592
発行日 1970年10月15日
Published Date 1970/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204148
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去る7月11日(土),下関市文化会館にて第17回山口県公衆衛生学会開催.学会長は下関市保健所長中村建史博士で,初めて県下唯一の政令市開催地とあって,公衆衛生協会会員をはじめ公衆衛生関係者およそ500名参集.午前9時開始,第1会場・第2会場はいずれも超満員であった.
午前中の研究発表では,第1会場は母子衛生に関する諸発表があり,ことに婦人の農漁村をとわず貧血調査の結果成績が集中し,参加者一同をして栄養士・保健婦による保健指導・食生活指導・生活指導などに対する関心と認識を一層新たにし,第2会場では昨今クローズアップされている公害問題について,多角的な調査結果が発表され,極めて活発な質疑・意見がなされた.殊に大気汚染と3歳児検診・児童・成人との呼吸器疾患との関係が,それぞれ山口大医学部公衆衛生学教室員の方々により発表せられたところ,県下大気汚染3地域を有するだけに,非常に興味深い所見が得られた.また山口県地区衛生組織活動の分析と考察について,山口県環境衛生課岡崎係長によって紹介されたが,レポートモニター制と,56市町村衛生担当職員のアンケートの両面から考察された地区衛生組織活動は,必ずしも容易に組織を維持し,活動を続けることは困難である事実を語り,奉仕活動の限界と,社会連帯性の遮断の様相を告げ,将来のあるべき姿を知ることができた.以上43題の研究発表を午前中で有意裡に終了し,午後は総会に移った.
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