今月の臨床 婦人科外来治療—Dos & Don'ts
腫瘍外来
3.子宮内膜増殖症—薬物的治療の限界
伊東 英樹
1
,
鈴木 孝浩
1
1札幌医科大学産婦人科
pp.130-132
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902822
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子宮内膜増殖症のなかで,子宮内膜異型増殖症は子宮内膜癌の前駆病変である.本邦では近年,子宮内膜癌の増加傾向が著明であり,過去10年間で子宮癌のなかで占める割合が5%から15〜20%と急増を認め,さらに今後も増加し,早晩30%を越えると予想されている1).
子宮内膜増殖症の主症状は不正子宮出血であり,年齢的には思春期から認められ40歳代が最も高頻度である.治療法としては,前癌病変であるため妊孕性保存療法の適応と限界が最も重要な問題となる.薬物療法の限界に関しては,適切な治療期間が問題となる,この期間に関しては明確な基準がないのが現状であるが,報告されているものの平均的な期間を示した.「婦入科外来治療」が今回のテーマであるが,対症療法を含めて妊孕性保存療法の適応と限界を中心に①「原因と鑑別診断」,②「治療の実際」,③「Dos&Don’ts」の順に概説する.
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