今月の臨床 初期治療60分—婦人科救急
救命救急手技
7.血液確保
藤井 恒夫
1
1国立呉病院・中国地方がんセンター産婦人科
pp.1594-1596
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902783
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輸血療法はきわめて有効な治療法であるが,ときとして感染症,同種免疫,免疫抑制作用および輸血後移植片対宿主病(graft versus host dis—ease:GVHD)などの重篤なリスクを伴うことがある.これらの副作用を防ぐために,最近は輸血用血液に対する放射線照射や予定手術の自己血輸血が推奨されている.
救急時の輸血の実施に際しては,他に治療法がないか,緊急避難的状況またはリスクを上回る効果が期待される場合に限定することが望ましく,慎重に適応と輸血量を決定し,安全で有効な輸血をしなければいけない.近年,救急処置としての輸血はできるだけ避ける傾向にある.
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