今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
治療と予防
エストロゲン療法
17.エストリオール単独療法
中村 千行
1
1佐久市立国保浅間総合病院整形外科
pp.1121-1123
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901882
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エストリオール(E3)に対する誤解 臨床の現場では,骨粗鬆症患者の大部分は女性である.Albrightら1)以来,閉経と骨粗鬆症の関係が注目され,エストロゲンがその予防と治療に有効なことはよく知られている.しかし日本における骨粗鬆症治療薬としてのエストロゲン使用量は著しく少ない.エストロゲンは,ヒトでは20数種確認されている卵胞ホルモンの総称であり,単一物質ではない.この,婦人科領域では周知の事実が,とくに整形領域では,「エストロゲン=estrone(E1)を主成分とする結合型estrogen」と誤解されてきた.これがとくに副作用に関する誤った認識となっていると思われる.過去20年にわたり,E3を第一選択剤として用いてきた経験を述べる.
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