増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル
婦人科編
Ⅰ.婦人科感染症・類縁疾患
腟炎
川名 敬
1
1日本大学医学部産婦人科学系産婦人科学分野
pp.8-10
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209953
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処方のポイント
◆細菌性腟症は,腟内乳酸菌叢が減少することにより非特異的な細菌が増殖する腟炎であり,性行為感染ではない.乳酸菌叢を殺菌せずに,増殖した病原菌を除菌するため,メトロニダゾールの腟内投与が有効である.
◆トリコモナス腟炎は,主には性行為感染で起こるが,浴槽・風呂などで感染することもあり,感染経路や年齢層は多様である.抗寄生虫薬であるメトロニダゾールの内服と腟内投与の併用が有効である.
◆カンジダ腟炎は,腟内洗浄が有効な治療であり,そのうえで抗真菌薬の腟内投与が必要である.基本は連日6日間投与である.再発を繰り返すなど難治性の場合は,パートナーに外用薬塗布を行う.
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