合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール
扉
川名 敬
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.5
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209222
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
産婦人科における感染症領域には,①性感染症,②不妊と関連する感染症,③母子感染症,④早産の原因としての周産期感染症,⑤腫瘍の原因となりうるHPV感染,⑥周術期感染症,など大きなテーマが多く含まれている.また感染症は,腫瘍,周産期,生殖内分泌,女性ヘルスケアのいずれのサブスペシャリティとも関連した横断的な分野であり,さまざまな現場で感染症の知識を必要とする.そのため,産婦人科感染症に関する知識は,サブスペシャリティを超えて,臨床医,特に若手医師にとって必要不可欠と言える.
産婦人科感染症領域では,トピックスが目白押しである.この数年急増している梅毒・先天梅毒,サイトメガロウイルス(CMV)やトキソプラズマの母子感染症,ウレアプラズマと早産,HPV感染から子宮頸がんへの発がんとその予防のためのHPVワクチン,A群溶連菌感染症(GAS)による周産期感染症などが挙がる.一方で,従前から産婦人科で問題となってきた性器クラミジア,性器淋菌感染症,性器ヘルペス,HBV・HCV・風疹・HTLV-1の母子感染の感染症などでは多くの臨床研究の成果が体系化されてきた.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.