先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
明日へのホルモン療法
PGE1腟坐剤による中期中絶のコツ
谷 俊郎
1
,
南渕 虎次郎
1
,
荻野 瑠美
1
,
西野 栄里子
1
Toshio Tani
1
1大阪回生病院産婦人科
pp.71-73
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207317
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如何なる時期の妊娠子宮に対しても収縮を惹起するprostaglandins (以下PG)の出現は妊娠中期中絶法をブジーやメトロイリンテルを用いる古典的な方法から一変させた。
まず初めに1970年Karimら1)によってPG F2αの静脈内投与による中期中絶が試なられた。しかし,大量投与とそれに伴う副作用のため,これに替って1972年Wiqvistら2)がPGF2αの子宮内卵膜外注入法を考案し,わが国においてもこの方法が過去10年間中期中絶法の主流となっていた。近年さらに強力な子宮収縮作用と頸管拡張作用を有するPGE1誘導体であるプレグランディンが小野薬品によって開発され市販された。腟坐剤の形で市販されているので子宮内操作の必要はなく,すでに佐藤ら3)の報告をはじめ数多くの報告4〜8)によってその秀れた中絶効果と安全性が実証されている。れれわれはあらかじめラミナリヤ桿を用いて頸管の拡張を十分に行った後でプレグランディンを投与することによって娩出時間を短縮させることができたのでその成績を報告する。
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