臨床メモ
経口避妊薬服用中の妊娠
竹内 久弥
1
1順天堂大学産婦人科
pp.974
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204703
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避妊効果のみをもつてすれは,経口避妊は現在利用し得るもつとも優秀な一時的避妊法ということができる。しかし,経口避妊薬服用中といえども妊娠の起こることは皆無ではなく,その理由の第1は "のみ忘れ"であり,第2は薬剤の種類と量によつては効果が劣ることにある。
スウェーデンでは1968年中に起こつた経口避妊薬服用中妊娠を医師に届出させ,これを解析したが,その結果をM.Rutensköld (ActaObst.& Gynec. Scandinav.50:203,1971)が報告している。それによると,1968年中に報告された妊娠例は90例で,そのうちsequentialtypeの薬剤服用中が73例,combinedtypeが17例であつた。これら2つのtypeの薬剤のそれぞれにも多くの種類があるが,同一type薬剤の妊娠率には差はなく,type別の差は大きい。すなわち,その1年間にcombined typeは約400万周期分使用され,sequential typeは19万周期分服用されたに過ぎないが,妊娠率はその逆で,前者が0.005に対し,後者は0.467と計算されるという。sequential type はcombined typeの100倍の危険性を持つことになる。
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