グラフ
臍帯ヘルニアに対するマーキュロクローム塗布療法
石田 正統
1
,
角田 昭夫
1
,
塙 正男
1
,
土田 嘉昭
1
1東京大学医学部第2外科教室
pp.729-732
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203928
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臍帯ヘルニアは予後の悪い新生児疾患の一つである。しかし,最近では,その治療成績は次第に向上しつつある。予後の悪い原因の一つは,臍帯ヘルニアが他の合併奇形を伴うことが多いためであつて,治療を開始するに当つては,これらの合併奇形を見落さないようにすることが肝要である。
一方,合併奇形を伴わない症例でもその手術成績は必ずしも良好ではない。特に,ヘルニア嚢の大きい場合,手術により腹腔内圧が著るしく上昇し,循環不全や呼吸不全などのため死亡する症例が多くみられた。最近では,このような合併奇形のない大きい臍帯ヘルニアに対しては,マーキュロクローム塗布療法が行なわれている。本法は手術に比し,危険度が少なく,良好な治療成績を挙げることができる。
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