Japanese
English
薬剤 血液
産婦人科外来におけるトロンボテスト
Thrombo-test in obstetrical and gynecological clinics
牛島 陽一
1
,
松下 正一
1
Yoichi Ushijima
1
1福岡市天神クリニック産婦人科
pp.891-897
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203169
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はじめに
産婦人科領域では,月経異常を含めた不正性器出血,分娩時異常出血など出血に関係のある疾患が多いが,ややもすると局所的異常にのみ注意し,全身的な血液異常に対する検索はやや等閑視されている傾向があつた。また従来から行なわれている出血傾向の検査は出血時間,全血凝固時間の測定,血小板数の算定,毛細管抵抗の検査である。最近血栓,栓塞性疾患の増加に伴い,わが国にも抗凝血療法が導入されCoumarin系,Indandione系の経口抗凝固剤が使用されるようになりこの方面の関心がたかまつてきた。抗凝固剤治療の指標として,従来Quick一段法プロトロンビン時間が用いられたが,第IX,第X因子の異常が注意されるに至つて,1959年OwrenはCoumarin系抗凝固剤により抑制されるトロンビン転化への外因性ならびに内因性凝固系のプロトロンビン,第VII因子,第IX因子,第X因子を綜合して測定できる方法としてトロンボテストを発表した。われわれは当科外来患者を対象に,その出血傾向のスクリーニングテストとしてトロンボテスト(以下T.T.と略す)を行なつてきたので,ここにその知見を報告すると共にルーチンテストとして用いるに先立つてT.T.測定条件について,若干の検討を試みたのでその成績を附加する。
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