Japanese
English
臨床と薬剤 貧血・2
産婦人科領域における貧血と治療—Jectoferの治療効果について
Anemia and its treatment in obstetrics and gynecology
藤森 博
1
Hiroshi Fujimori
1
1国立岡山病院産婦人科
pp.79-83
発行日 1963年1月10日
Published Date 1963/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202742
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緒言
鉄欠乏性貧血の治療に当つて,慢性下痢患者などの胃腸障害・胃切除・副作用のため鉄剤経口投与の不可能な場合,あるいは急速な治療を必要とする場合に従来Iron-Dextran ComplexであるImteronが広く用いられた。しかしRichmond3)がImteronをratに筋注し肉腫の発生をみて以来,英米ではImteronの発癌性が論議のまとになり,その後West1),Goldberg2)などの反対論者があらわれたが現在臨床的には鉄剤筋注は行なわれていない。ただSaccharated iron oxideが鉄静注剤として使用されているがFe含有量が少量でかつ呼吸困難・胸痛・脊痛・悪心・発熱・ショック・血管痛などの副作用がみられることがあり,広く用いられていない。
最近比較的低分子量(5000以下)でIron-Dex—tran-Complexとは異なるIron-sorbitol Citrate ComplexであるJectoferがSweden Astra社より発表され血液学会の話題となつている。
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