連載 My Therapy in series・2
妊娠悪阻の治療/妊娠後半期で胎児未熟で破水した時の治療
官川 統
1
1東大病院分院
pp.694-695
発行日 1962年9月10日
Published Date 1962/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202675
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妊娠悪阻にたいする治療は最近新らしい薬剤がつぎつぎと登場しそうとうな効果が報告されている。
肝庇護剤(グルクロン酸,パントテン酸,メチオニン,チオクト酸,ブドー糖等),抗ヒスタミン剤,ビタミン類(B6,K,Cなど)自律神経節遮断剤,中枢性嘔吐抑制剤(クロールプロマジン,ペルフェナジンその他)などは各々60〜80%の成績を示している。難症な場合,2〜3日間隔でつぎつぎと薬剤をとりかえて投与してもなかなか症状改善されず患者の信用を失ない,または人工中絶のやむなきにいたるか,はたまた妊娠の経過による目然治癒に期待するなどにひどく迷うことがある。私はいろいろ治療を行ない効果が得られぬ時には副腎皮質ホルモンを短期間使用し著効を得ているので諸家にもいまだ使用経験のない場合,ぜひともおすすめする次第である。
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