Japanese
English
症例報告
姑息的療法による先天性臍帯ヘルニアの1治験例
A case of congenital umbilical hernia successfully treated by a palliative method
武田 正美
1
,
横山 達也
1
,
武田 雅身
1
Masami Takeda
1
1公立大舘病院産婦人科
pp.251-253
発行日 1961年3月10日
Published Date 1961/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202393
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Ⅰ.はじめに
先天性臍帯ヘルニアは腹壁の先天性閉鎖不全により,その欠損部から臍帯内に腹部内臓の一部,若しくはその大部分が脱出するものであり,脱出臓器は羊膜,Wharton膠質及び原腹膜(Coelo—epithel)から成る透明な被膜で被覆されている。本症の予後は一般に不良であり,特に脱出腫瘤の大きな場合,或は他臓器に奇形を合併している場合は極めて不良で,腸管以外の臓器脱出を伴う場合は殆ど死の転帰をとると云われる。其の治療には手術的或は姑息的療法があげられるが,諸家の多くは殆んど早期手術的療法を強調している。
われわれは腫瘤が径8cm以上の極めて予後不良な本症に姑息的療法を実施し,之を自然整復せしめ,且つ順調な経過をとつた1例を経験したので茲に報告する。
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