Japanese
English
症例研究
産褥性子宮内飜症に就いて
On inversio uteri puerperalis
魏 聯證
1
,
蔡 煒東
2
GI REN SYO
1
1中華民国台湾省省立台北医院婦産人科
2台北市市立産科医院
pp.171-180
発行日 1957年3月10日
Published Date 1957/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201520
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緒言
子宮内翻症とは腸管に於ける疊積の如く子宮の一部が他部の中に陥入するか,又は全く翻転して子宮内面即ち粘膜面が外方に,共の外面即ち腹膜面が内方になつた状態を言う。実地上極めて稀に遭遇する子宮の位置形態異常で,古くはHippo-crates時代已に明確に記載せられ,その後Crosse(1843),Beckmann (1895),Vogel (1900),Thorn(1911),Zangemeister (1913),Mason&Rucker(1927),前田(1930),吉村(1934),Harer&Sharkey (1940),Das (1940),Bell&Wilson(1953)等の統計的観察もあり,その報告例は必ずしも少くはない。臨牀家として大病院におるものでさえ一度も遭遇しないが,あつても僅かに1,2例を経験しうるのみである点から,矢張り,子宮内翻症は稀有なる疾患に相違なく,我々は最近,妊娠8ヵ月の早産後に発生したと思おれ,已に10年3ヵ月を経過した陳旧性子宮内翻症の1例を経験したので,茲に報告する。
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