診療室
卵管痙攣の一診断法
松尾 正平
,
飯塚 鐵郞
pp.614-615
発行日 1955年6月10日
Published Date 1955/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201202
- 有料閲覧
- 文献概要
吾々は日常不妊を主訴とした患者に,卵管の通過性の有無を知る必要に迫られる場合が少くない。その目的のために,従来は,卵管通気法,卵管通水法,子宮卵管造影法,G.Speck氏P-S—P.test,三谷氏の通色素法等があり,殊に,子宮卵管造影法は,最も確実に卵管の形態的所見を示して呉れるが,卵管機能異常,特に卵管痙攣の判定の点では,1927年Rubinが考案し1952年に到って完成したキモグラフイオンを応用し卵管通過性を検する,所謂,Rubin-testが最もすぐれて居る事は,現在欧米諸国で,広く応用されて居る傾向からしても窺い知る事が出来る。
国保氏によれば,卵管痙攣の曲線像は,第1図の如く,初圧が異常に上昇し,その後急下降し正常曲線を描くもの,或は全く不規則な曲線像を呈するものがあり(第1図b),その診断に困難をきわめる事が屡々ある。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.