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人工妊娠第一子
pp.518
発行日 1951年12月10日
Published Date 1951/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200566
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七五三のお祝い,おじいちやんとご一緒に千歳飴を持つたところをパチリと撮りました。人のよさそうな上品なおじいちやま,そう云えば何處かで見たような顔--ヤ,ヤヤ………これは失禮,安藤先生じやありませんかいいおじいちやま振りで恐れ入りました。
「オイオイ君,何も恐れ入ることはないさ,この孃ち やんはネ,君,日本で非配偶者間に出來た人工妊娠の 第一子なんだよ,昭和24年8月1日のお誕生でネ,今 日の七五三のお祝いにこうして元氣でお詣りしたとこ ろさ,人工妊娠だから無論フアーターはわからないこ とになつてるが,日本では僕の教室だけで50數例が首 尾よく妊娠,そのうち19名が既に出産している。この お孃さんがつまり日本に於ける人工妊娠の第一子と云 うわけだが,外國ではずつと以前から數多くの例があ る。しかも何れも且つ誰もが父親も家族のものも非常 に滿足していると云うことは,社會的にみてネグレク トできないことだと思う」 既に人のよいおじちやまの影はなく,嚴肅な安藤晝一教授の講義である。
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