臨床経験
当院における腹腔鏡下子宮腺筋症切除術
松永 茂剛
1
,
五味 陽亮
1
,
一瀬 俊一郎
1
,
成田 達哉
1
,
板谷 雪子
1
,
大原 健
1
,
高井 泰
1
,
斉藤 正博
2
,
林 直樹
3
,
馬場 一憲
2
,
関 博之
2
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
2埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター
3ミューズレディスクリニック
pp.1143-1147
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103204
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要旨
adenomyomaは結節性の腫瘤を形成している子宮腺筋症の1つで,月経困難症や過多月経などの症状を呈する子宮腫瘍の15%に認められる.保存的治療が奏効せず妊孕性を有する患者に対して,以前より腺筋症核出術が行われており,今回われわれは腹腔鏡下子宮腺筋症切除術を施行したので文献的考察を加えて報告する.
2009年1月1日より2009年12月31日までにadenomyomaを合併し腹腔鏡下子宮腺筋症核出術のインフォームド・コンセントが得られ手術を施行した5症例を対象とした.手術を施行した患者の月経痛のVAS scoreを手術前後で調査した結果,全症例において有意な月経困難症の改善を認めた.また全例に過多月経の改善を認めた.また1例妊娠例を認めた.
挙児希望があり子宮温存を希望する患者で内服治療が奏効しない症例において,腹腔鏡下子宮腺筋症切除術は有用な治療法の1つであると思われた.
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