今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
II 婦人科領域における超音波診断
[子宮疾患の超音波診断]
4.子宮内膜良性病変
木下 孝一
1
,
関谷 隆夫
1
,
宇田川 康博
1
1藤田保健衛生大学医学部産婦人科学
pp.412-419
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102316
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子宮内膜良性病変とは
思春期以降,卵巣よりエストラジオールが分泌されるようになると,子宮は増大し,子宮内膜も肥厚する.その後月経が発来し,子宮内膜の増殖・分泌・剥離が繰り返され,更年期以降は排卵が消失し,閉経を迎えると子宮は萎縮して内膜も菲薄化する.こうした過程のなかで,ホルモン分泌や感受性の異常に伴う子宮内膜異常・子宮内膜剥奪不全・腫瘍などが発生する.このうち,悪性腫瘍を除き,子宮内膜の形態に異常をきたすミュラー管発生異常を加えた疾患群が,臨床的な子宮内膜良性病変といえよう1).
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