今月の臨床 産科超音波診断─正診への道筋
妊娠中・後期
3.胎児頭蓋内構造観察の基本
夫 律子
1
1クリフム臨床胎児医学研究所マタニティクリニック
pp.1030-1033
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101547
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はじめに
胎児の中枢神経系診断は難しい.その理由としては,画像診断において最低限必要な脳解剖や中枢神経系の先天異常についての知識が少ないこと,胎児中枢神経系は胎芽期からかなりその形態を変貌させながら発育するためにどの週数でどのような脳あるいは脳室であれば異常であるかがわかりにくいこと,胎児計測の基本とされているBPD(biparietal diameter)の計測をする水平断面のみで胎児脳を把握しようとすることに無理があること,などが挙げられる1).基本構造と胎児期の脳発育を理解したうえで脳を観察すると日常臨床での観察は容易となる.
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