今月の臨床 中高年女性のトータルヘルスケア
メタボリックシンドローム
6.閉経は動脈硬化症の大きなリスクである
河野 宏明
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学
pp.939-943
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101422
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
虚血性心疾患は,欧米では女性の最多の死因である.わが国においても心疾患は,がん,脳血管障害と併せて,女性の全死因の5割を大きく超える.女性の虚血性心疾患は閉経後に増加する.このことは,内因性女性ホルモンが動脈硬化進展を抑制していると考えられる.また,女性の心筋梗塞は男性に比較して重症になりやすいこともよく知られており,近年,女性の危険因子とその管理が注目されている.閉経前女性といえども,将来の動脈硬化性疾患の発症を減少させるために,生活習慣の管理に留意すべきである.妊婦に対しても,妊娠中の厳重な体重管理と禁煙を強く奨励する.さらに,分娩後も再発しないように強く奨励しなければならない.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.