今月の臨床 症例から学ぶ多嚢胞卵巣
症例から学ぶ
3. PCOSで妊娠糖尿病を呈した患者の1例―PCOS症例が妊娠した場合の管理と予後について
竹内 欽哉
1
,
小林 友季子
1
,
金山 尚裕
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.25-27
発行日 2005年1月10日
Published Date 2005/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100146
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はじめに
肥満患者が無月経,希発月経などの月経異常を訴えている場合,PCOSも伴っていることは臨床上しばしば経験されることである.近年,PCOSとインスリン抵抗性の関連が注目されており,PCOSの病態の改善にインスリン抵抗性改善薬であるメトホルミンが用いられている.肥満あるいはインスリン抵抗性を有するPCOSの患者が妊娠した場合,妊娠糖尿病(GDM)発症の危険性も増加することが予想される.われわれは,肥満のPCOS患者が結果的に妊娠糖尿病を発症した症例を経験した.今回,この症例を通してPCOS患者が妊娠した場合,どのような点に注意して周産期管理を行うべきか,また,その予後についての文献的考察も加えて検討した.
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