装具・器械
Chronometric Infusor—悪性骨腫瘍の治療への応用
赤星 義彦
1
1京都大学医学部整形外科
pp.315-319
発行日 1966年6月25日
Published Date 1966/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908446
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近年制癌剤の進歩発達に伴い,悪性腫瘍に対する化学療法の臨床効果もかなり期待し得るようになり,延命効果あるいは局所治癒をもたらし得た症例も数多く報告されている.このことは適確な腫瘍感受性を有する制癌剤の開発とその投与法の改良によつて,更にその治療成績を向上させ得る可能性のあることを示唆していると言えよう.
制癌剤の投与法としてはInfusion局所動脈内挿管投与法,あるいはPerfusion局所灌流法が特にとり挙げられる.1950年Kloppらは腫瘍を栄養としている主幹動脈内にポリエチレン管を挿入,留置して制癌剤のintra-arterial Infusionを試み10例中8例に腫瘍の縮少をみたと報告して以来,Bierman,Cromer,Grady,Sullivanand Watkins,Clarkson,Herter,白羽等は,主として手術不能例あるいは手術,放射線治療後の再発例,頭部,頸部の悪性腫瘍の治療に制癌剤のInfusionを行ない,静脈内及び経口投与と比較して遙かに優れた局所効果と副作用の軽減を認めている.
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