整形外科を育てた人達 第51回
Edward Hallaran Bennett(1837-1907)
天児 民和
1
1九州大学
pp.992-995
発行日 1987年8月25日
Published Date 1987/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907682
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整形外科でBennettの名は,第一指基底の骨折に今日も彼の名を冠した骨折があるので有名である.しかし英国にはBennettの姓を有する医学者は多く,医学史の人名を探すのに便利な著書Emerson Crosby Kelly著の「Encyclopedia of Medical Sources(1948)」ではBennettの姓を有する学者は全部で6名あり,皆英国人である.さて整形外科に関係深いのはEdward Hallaran Bennettである.誕生は1837年4月9日Irelandの南部の町Corkで生れた.父はRobert BennettでCorkの町長であったが,司法権もある有力な町長であった.母は又有力な医師William Hallaranの娘であったので,母の姓を取り入れてEdward Hallaran Bennettと命名された.兄弟は全部で5人であったが恵まれた環境で育てられた.初等教育はCorkで受け,その後Dublinに行きDr. Flylnn's Academyの病院を訪れた後Trinity Collegeに人学した.入学した頃は自然科学に興味を持ったが,その頃Trinity Collegeの外科の教授であったRobert William Smith(1807-1873)の講義を聴き医学に方向を転じた.
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