整形外科を育てた人達 第23回
Royal Whitman(1857-1946)
天児 民和
1
1九州大学
pp.36-39
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907102
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近代米国の整形外科の発達を語る場合に除外することのできない学者の一人としてRoyal Whitmanを挙げることができると思う.Whitmanはよく働きよく勉強したと彼の友人が口を揃えて言っている.患者に対しては,外来患者も入院患者も共に大切に取扱い,外来だからと言って軽視してはならないと考えていた.彼は整形外科に愛情を持ち,その進歩に休みなく努力した.彼に接した人達はWhitmanは終日整形外科の事のみ考えていたと言っている.19世紀の終り頃より外科的治療が次第に発達して来て,彼も手術に興味を持っていたが,非観血的療法を決して忘れなかった.彼の助手達が保存的療法を無視して手術のみに頼るとWhitmanは厳しく注意をした.手術は決して急がず,各組織の損傷を可及的に避けて,助手には常に組織を愛情を以て取扱えと教えている.
誕生 1857年10月2日米国のMain州のPordandで生れた,家系は英国からの移住者であったらしい.それはWhitmanが第一線から引退した1929年に英国に移りLondonに住んでいた事から推察し得る.彼が生れてあと数年で米国では南北戦争が起っている.やがて戦争も終り米国は新しい活気のある国として急成長をしたが,医学界でも次第に成長し始めていた.
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