特集 頸部脊椎症(第12回脊椎外科研究会より)
頸部脊椎症
酒匂 崇
1
1鹿児島大学医学部整形外科
pp.326
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906930
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第12回脊椎外科研究会は昭和58年6月4,5日の二日間にわたり大阪府立労働センターにおいて開催された.今回のテーマは頸部脊椎症で,発表された演題は98題であり,頸部脊椎症の成因,検査,臨床像,治療法などについて,活発な討議が行われた.本症は極めて普遍的な疾患であり,これまで多くの研究発表がなされており,特にテーマとして採り上げ討論するほどの問題点はそれ程多くないかとも考えたが,今回の発表を聞き特に検査,病態,手術等に関し,新しい概念が導入され進歩が見られたことは,この研究会にとり意義深いものであった.発表内容は充実して程度の高いものが多く,本邦の脊椎外科の水準の高さを立証するもので,喜ばしい限りであった.
発表の要旨は各セクションの座長にそれぞれの総括を,また全体の総括を服部奨先生にお願いしたので,お読みいただければこの研究会の内容や進歩の様子が良く理解いただけるものと考える.特に目についた発表としては,脊髄誘発電位の診断への応用,頸部脊柱管狭窄,特殊な病像を呈する症例,脊柱管拡大術,観血的治療の遠隔成績や適応,成績不良例の検討などであった.
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