症例検討会 骨・軟部腫瘍13例
〔症例13〕下腿軟部悪性腫瘍
武田 善樹
1
,
浦野 順文
1
,
前田 昌穂
2
,
山崎 京子
2
,
松原 司
2
,
水野 耕作
2
,
広畑 和志
2
,
岡田 聡
3
1神戸大学医学部第1病理
2神戸大学医学部整形外科
3神戸大学病理部
pp.271-273
発行日 1984年3月25日
Published Date 1984/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906923
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症例は40歳男子.体育教師で,右膝靱帯損傷の既往あり.祖父は白血病,祖母は子宮癌で亡くなっている.昭和55年10月,疾走中に右下腿後面に激痛を感じ,その後痛みは続いた.56年4月,右膝窩部遠位に拇指頭大の硬い腫瘤ができ徐々に増大した,56年9月,神戸大整形外科を受診,入院した.
受診時,下腿の腫大があり,膝窩すぐ遠位に皮膚と癒着なく基底で可動性のない腫瘤があり,一般検査では,白血球増多(12000/mm3),ツ反強陽性の他著変なく,CEA 41.8ng/mlと高値を呈し,VMAは正常範囲内であった.X線像では軟部陰影の増大,腓骨中枢部の彎曲popliteal Aの圧排,静脈の狭窄がみられた.CT像では筋肉と同レベルのdensityを示す.境界鮮明な腫瘤を認めた.
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