Japanese
English
論述
股関節全置換術におけるfemoral component挿入時の骨髄内圧と肺塞栓
Intramedullary pressure and pulmonary embolism during insertion of bone cement and femoral component in total hip replacement
岩崎 勝郎
1
,
吉良 秀秋
1
,
深沢 俊裕
1
,
平野 徹
1
,
小野 哲生
1
Katsuro IWASAKI
1
1長崎大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagasaki University School of Medicine
pp.1090-1095
発行日 1979年11月25日
Published Date 1979/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906017
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はじめに
股関節全置換術においてfemoral componentが骨セメントと共に挿入される場合,それに伴つて骨髄組織,脂肪,空気などによる肺塞栓がみられることは,Modigら15),Breed1),Herndonsら7),Kallosら10)および今原9)などによつて,臨床的または実験的に証明されているが,その発生原因については骨髄内圧の上昇やmonomerの関与などいくつかの因子が報告されており,必ずしも意見の一致をみていない.また全置換術術中に発生する心停止の原因としてこの肺塞栓があげられているが(Burgess2),Harris6),Phillips17),Hyland8),Greshamら5)),しかしそのような合併症の発生頻度は,現在世界的に行われている人工関節置換術の数からすればきわめて少ないのも事実である.
この研究の目的はfemoral component挿入時の骨髄内圧の計測,家兎に実験的に作成した肺塞栓の組織学的検索によりfemoral component挿入後に発生する肺塞栓の原因とその臨床的意義につき検討を加えることである.
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