臨床経験
小児の再発性指趾線維性腫瘍—乳児指趾線維腫症
恒吉 正澄
1
,
岩崎 宏
1
,
遠城寺 宗知
1
,
竹嶋 康弘
2,3
Masazumi TSUNEYOSHI
1
1九州大学医学部病理学教室第二講座
2九州大学医学部整形外科学教室
3現:福岡大学医学部整形外科学教室
pp.272-276
発行日 1975年3月25日
Published Date 1975/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905156
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緒言
小児の再発性指趾線維性腫瘍(recurring digital fibrous tumor of childhood)は1965年Reyeにより初めて6例が報告され,独立疾患として記載された特異な腫瘍状病変である.本病変は乳幼児の手指や足趾のみに発生し,腫瘍細胞の胞体内には特異的な封入体が見られることから,他の小児の線維腫症とは区別される.私どもが最近10年間に蒐集した軟部腫瘍約5000例中の指趾腫瘍210例の病歴および組織標本を再検討した結果,本病変に相当する5例が見いだされた.うち1例の電顕的観察を加えてこれらの例を報告し,本病変の臨床病理学的特徴と問題点について論じてみたい.
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