臨床経験
腫瘍細胞胞体内硝子球"hyaline globules"について—骨肉腫の剖検1例
森 芳紘
1
,
吉田 春彦
1
,
湯本 東吉
1
,
前山 巌
2
Yoshihiro MORI
1
1鳥取大学医学部第1病理学教室
2鳥取大学医学部整形外科学教室
pp.683-688
発行日 1974年8月25日
Published Date 1974/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905034
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胞体内硝子様小体は,1901年Mallory16)が酒客肝硬変の肝細胞にalcoholic hyaline(Mallory体)とよばれる硝子様小体を記載して以来,主として人の肝や実験動物の肝で,その形態・組織化学・電顕所見および臨床的意義などについて各方面から詳細に研究されてきたが,そのmorphogenesisについては議論が多く,一致した見解はえられていない.一方,人材料で肝細胞以外の細胞にこれと類似した硝子様小体を認めたという報告は,Dekker1,2),岡野23,24),小島15)らのそれがあるにすぎず,きわめてまれである,私達は,骨肉種細胞の胞体内に多数の硝子球が認められた1剖検例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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