Japanese
English
臨床経験
特発性上腕骨内反症
Humerus varus idioPathicus
村上 敬朋
1
Yukitomo MURAKAMI
1
1三木整形外科病院
pp.607-613
発行日 1973年7月25日
Published Date 1973/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904865
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はじめに
上腕骨内反(Humerus varus,以下H. v.と略す)とは上腕骨上端部が異常な内反位彎曲を呈するもので,いわば内反股と同様の変形である.H. v.には各種のものがあるが,Weil(1959)32)はこれを 1)H. v. symptomaticus,2)H. v. congenitus,3)H. v. adolescentium essentialisの3型に大別している.表題に用いたH. v. idiopathicus(以下H. v. i.と略す)はChrysopathes(1936)6)の命名によるものでWeilのいうH. v. adolescentium essentialisに相当する.このH. v. i.は14歳前後の発育期に肩関節運動制限と上腕短縮をきたし特有なX線像を呈する極めて興味深い疾患で,いまだ本邦においても25例の報告しかみられない.H. v. i.はその特徴ある病像より一独立疾患として取扱われてはいるが,その病因に関しては今なお問題が多い.われわれはここに2例のH. v. i.を追加報告すると共に,本邦における報告例の調査結果をもとにH. v. i.について総括的なことを述べてみたいと思う.
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