境界領域
ショックの治療
稲生 綱政
1
,
登 政和
1
,
内田 久則
1
1東大医学部第2外科
pp.682-688
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903813
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ショックとは
ショックの治療について記する前にショックの概念を簡単に述べておこう.
ショックと言うのはあくまでも臨床症状の一つで,その言葉の定義そのものまで確立されていないが,1948年アメリカの連邦学術会議ショック小委員会では,ショックを血管床容積と血流量の間に一定度以上の懸隔を生じた状態と言つている.すなわち,血管容積に比して循環血液量がひどく減少して循環障筈を起こした状態である.ショックも外力の侵襲に対する生体の反応の仕方で,必ずしも循環系のみの変化とは言えないが,外科臨床上では主なショック症状がやはり循環障害から来るものと見做し得るであろう.
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