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特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)
胸椎角状後弯症に対する骨切り矯正術―後方単一アプローチ
Circumspinal Decompression and Correction Osteotomy for Angular Kyphotic Deformity Using a Single Posterior Approach
川原 範夫
1
,
富田 勝郎
1
,
藤田 拓也
1
,
小林 忠美
1
,
吉田 晃
1
,
村上 英樹
1
Norio Kawahara
1
1金沢大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Kanazawa University
キーワード:
thoracic angular kyphosis
,
胸椎角状後弯症
,
correction osteotomy
,
骨切り矯正術
,
single posterior approach
,
後方単一アプローチ
Keyword:
thoracic angular kyphosis
,
胸椎角状後弯症
,
correction osteotomy
,
骨切り矯正術
,
single posterior approach
,
後方単一アプローチ
pp.479-487
発行日 1999年4月25日
Published Date 1999/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902688
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抄録:胸椎角状後弯症に対して後方単一進入による骨切り矯正術を7例に行った.椎弓切除の後に,instrumentationを用いて一時的に脊柱の支持性を確保した.脊髄の全周除圧を行い,脊髄を直視下に捉えながら中枢,末梢側のロッドにレバーアームの力を加え脊柱の矯正を行った.前縦靱帯を回転中心としたclosing osteotomyを基本としたが,脊髄がたるみはじめた時点で回転中心を椎体の後方付近に切り換え前方のopening correctionを続けた.椎体間のギャップには骨移植を行った.後弯角は平均術前67°から術後18°に矯正されていた.術前脊髄麻痺を認めた4例では術後に著明な麻痺の改善を認めた.術後平均経過観察期間は3年であるが,全例骨癒合が得られていた.以上,限局した高度な後弯では,後方単一アプローチにより脊髄腹側の除圧および脊椎前柱の骨切りを行うことが可能であった.また,回転中心を,前方ついで後方,最終的には変形椎体の前方2/3の部分におく矯正操作により,脊髄に対して安全に,より生理的な脊椎矯正が得られた.
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