Japanese
English
臨床経験
手根骨遠位列に発生した骨内ガングリオンの2症例
Two Cases Report : Intraosseous Ganglion in the Distal Row of Carpal Bone
櫛方 暢晴
1
,
寺嶋 博史
1
,
茂木 政和
1
,
島本 司考
1
,
茂手木 三男
1
,
梅田 嘉明
2
Nobuharu Kushikata
1
1東邦大学医学部整形外科学教室
2横浜東邦病院
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Toho University
キーワード:
intraosseous ganglion
,
骨内ガングリオン
,
carpal bone
,
手根骨
,
distal row
,
遠位列
Keyword:
intraosseous ganglion
,
骨内ガングリオン
,
carpal bone
,
手根骨
,
distal row
,
遠位列
pp.1203-1206
発行日 1996年10月25日
Published Date 1996/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902029
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:手根骨遠位列に発生した骨内ガングリオンの2例を経験した.症例1:47歳,女性.主訴は右手関節部の運動時痛であった.X線上有鉤骨に円形の単房性嚢腫様透明巣を認めた.術中所見にて有鉤骨背側に接して小腫瘤がみられ骨内と交通し,一部は手根中手靱帯と連続していた.病理組織所見は密な線維組織より成り,明らかなlining cellはなく,ガングリオンと診断された.症例2:24歳女性.主訴は左手関節部痛でX線上大菱形骨に円形の骨透明巣を認めた.術中所見にて大菱形骨隆起基部の掌側手掌面に腫瘤がみられ骨内と交通していた.病理組織所見は症例1と同様であった.発生機序として症例1は手根中手靱帯と連続していたことより骨外発生のガングリオンが骨髄内に侵入したものと想定したが,症例2は不明である.手根骨遠位列発生例は自験例を含め9例ときわめて稀であるが,この理由は手関節の機能解剖学的な特徴によるものと考えた.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.