Japanese
English
臨床経験
嚥下障害を呈した強直性脊椎骨増殖症の2例
Two Cases of Ankylosing Spinal Hyperostosis Causing Dysphagia
石川 淳一
1,3
,
岩崎 公彦
1
,
佐藤 栄修
2
,
倉上 親治
2
,
橋本 友幸
2
Junichi Ishikawa
1,3
1王子総合病院整形外科
2北海道大学医学部整形外科学教室
3現:北見小林病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Oji General Hospital
キーワード:
強直性脊椎骨増殖症
,
ankylosing spinal hyperostosis
,
嚥下障害
,
dysphagia
,
手術的切除
,
surgical resection
Keyword:
強直性脊椎骨増殖症
,
ankylosing spinal hyperostosis
,
嚥下障害
,
dysphagia
,
手術的切除
,
surgical resection
pp.175-180
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900787
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抄録:強直性脊椎骨増殖症(ankylosing spinal hyperostosis)は椎間板線維輪,前縦靱帯の骨化,骨増殖により,ついには隣接椎体間の癒合を呈す疾患である.この疾患による特徴的な症状はないが,稀に頸椎において前方に異常に増殖した骨化層により,食道,気管が圧排され,嚥下障害あるいは稀に呼吸困難を呈することがある.今回我々は,頸椎前方の異常骨化層により嚥下障害を呈した同疾患を経験した.1例に対しては手術的に骨化層を切除し,術後完全な嚥下障害の改善が得られた.もう1例は嚥下障害に加えて,嗄声,口渇感も合併しており,咽喉頭周囲の浮腫,炎症性変化の関与も考えられ,さらに,症状が比較的軽度であることより,現在経過観察中である.骨化層による食道の機械的圧迫が嚥下障害の原因と考えられる症例に対しては積極的な手術的切除が有効である.
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