書評
AO法骨折治療Foot and Ankle—英語版Web付録付
山口 智志
1,2
1千葉大学大学院国際学術研究院
2千葉大学大学院整形外科学
pp.1492
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408202852
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
一読した感想は,「今すぐ買うべし!」である.本書は,待望の足部・足関節骨折の手術治療に特化したテキストである.これから骨折治療を学ぶ後期研修医から指導医,足の外科の診療,研究に携わるエキスパートなど,経験によらずあらゆる整形外科医,外傷医にとって必携の書と断言できる.
足部・足関節骨折の手術は専門性が高く,治療法を学ぶ上でいくつかの問題がある.まず,足部・足関節は多くの関節から成る複合体である.例えば,足関節骨折とリスフラン関節骨折ではまったく異なる評価,治療戦略が必要である.しかし,ベテランの医師であっても全ての部位の骨折治療を経験することは容易ではない.経験がない骨折では,アプローチすらわからないことも少なくない.加えて,足部・足関節骨折の手術は決して簡単ではない.足関節果部骨折は,骨折手術の入門編として後期研修医が執刀することも多い.しかし,十分な整復が得られず短期間で変形性関節症に至る症例も少なからず存在する.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.