Japanese
English
誌上シンポジウム 人工骨移植の現状と展望
脊椎外科における人工骨移植
Synthetic Bone Grafting in Spinal Surgery : Current Status and Perspective
藤林 俊介
1
Shunsuke FUJIBAYASHI
1
1京都大学大学院医学研究科・運動器機能再建学講座
1Department of Orthopedic Surgery, Graduate School of Medicine, Kyoto University
キーワード:
脊椎外科
,
spinal surgery
,
人工骨
,
synthetic bone
,
骨移植
,
bone graft
Keyword:
脊椎外科
,
spinal surgery
,
人工骨
,
synthetic bone
,
骨移植
,
bone graft
pp.973-979
発行日 2015年10月25日
Published Date 2015/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200350
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脊椎固定手術においては一般的には骨移植が必要となる.骨移植には,神経除圧の際に得られる切除骨を用いる局所骨移植と,腸骨や腓骨に新たな手術侵襲を加えて採取する骨移植がある.局所骨移植には移植骨の質と量の問題があり,骨癒合を得るためには十分な量の骨を移植する必要があるため,時として人工骨を混合させた骨移植が行われる.しかしながら,腸骨や腓骨からの骨採取には新たな手術侵襲が必要であり,採骨部痛,採骨部感染などの問題が生じる.脊椎手術に用いる人工骨は使用する部位や形状に応じた選択が重要である.また人工骨にはハンドリング,骨伝導性や骨誘導性において自家骨に劣るという問題点があり,自家骨を上回る人工骨の出現が期待されている.本稿では本邦で行われている脊椎手術における人工骨移植の現状と今後の課題と展望,諸外国における現状,そしてわれわれの施設における脊椎手術用人工骨の開発などについて紹介する.
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