専門分野/この1年の進歩
JPOA日本小児整形外科学会―この1年の進歩
松尾 隆
1
1南多摩整形外科病院
pp.1202-1204
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100802
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年の小児整形外科分野における進歩は著しく,大きく疾患の実態やあり様が変わってきているかの印象を受けるほどです.実態としては
①乳幼児,新生児期検診の普及による発達性股関節脱臼の減少
②感染症に対する適切な抗生剤の使用,手術療法の併用による,骨髄炎,関節炎の減少
③適切な手術療法の採用による,各種小児骨折の治療期間の短縮と治療後良肢位の獲得
④脚延長手技の進歩による各種変形,下肢脚長差の治療,是正
⑤各種骨切り術によるペルテス病の治療期間の短縮
⑥各種腱移行,関節固定術を使った弛緩性麻痺治療の進歩
⑦各種骨切り術による下肢の肢位異常,回旋異常の治療
⑧手術治療,抗生剤の進歩による骨,軟部腫瘍治療の進歩
⑨側弯症など体幹変形治療の進歩
⑩肩を含めた上肢,手の外科の進歩
⑪選択的痙性筋解離術の開発による脳性麻痺治療の進歩
など枚挙にいとまがないほどです.
一方で,放置された発達性股関節脱臼に対する補正手術も,立派な手術手技を発達させてきていますが,発達性股関節脱臼の発症が減少する中で,これらの治療技術の継承も大きな問題となってきております.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.