特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅰ.縫合法・吻合法の基本
縫合針,持針器の種類と使い分け
戸田 完治
1
Kanji TODA
1
1総合病院岡山市立市民病院外科
pp.19-22
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903323
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はじめに
最近では消化器外科でもマッチュウの持針器でなく,ヘガールの持針器を利用する医師が増えてきた.ローゼルの持針器(図1D)も存在したが,現在ではこの持針器を使用する医師が極端に少なくなった.因みに当院で現在ローゼルの持針器を使用する医師はいない.このローゼルの持針器の把持力は強く,比較的遅くまで婦人科の医師が愛用していた.
筆者はマッチュウの持針器(18cm,図1A)とヘガールの持針器(18cm,図1B)を使い分けているが,主としてマッチュウの持針器を愛用している.この持針器の把持の仕方であるが,手掌の中に入れて握ると安定性が確かに良い.筆者は持針器を末節骨と中節骨の中間位で把持している.少し不安定であるが慣れれば克服できる.指先のほうで持針器を持つと持針器の回転角度が広くなり,狭い場所での運針がかなり容易になる.筋膜縫合や皮膚縫合など力の入る場所では手掌で持っても支障は感じられない.運針には持針器を浅く握る場合と,深く握る場合と持ち方を選択するのが賢明かと思う.
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