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中頭の読み方はよく間違われますが「なかがみ」と読みます.その由来は,沖縄本島は北東から南西に国頭(くにがみ)・中頭・島尻(しまじり)に3分され,中頭は中部地域にあたります.中頭病院は沖縄県中部の沖縄市知花に位置しています.病床数は336床,標榜診療科は29科で,平均在院日数は10.3日と短く,7対1看護基準,DPC対象急性期病院です.病院の歴史は,今から約33年前に当時は野原であった米軍基地跡地に,沖縄県立中部病院出身の志ある7名の医師によって開設した病院です.開設当時,沖縄県中部地区には急性期病院は沖縄県立中部病院のみで患者が非常に多く,忙しい時期でした.中部地区の医療を支援する目的で,慢性期病院として病床数100床,職員数約80名で昭和57年4月にスタートいたしました.その後人口の増加に伴う患者数の増加や,地域住民や医療提供側からも渇望され,医療ニーズに応えるように増床・診療科の充実をはかり,6年後の昭和63年に病床数326床への増床,さらに平成25年には特例病床10床を加え現在の336床に至ります.平成11年に日本医療機能評価機構認定,平成13年に特定医療法人認定,平成15年に救急告示病院認可,臨床研修指定病院(基幹型)認可,平成16年に地域医療支援病院承認,平成21年には社会医療法人として認可されました.
外科医は11名で,臓器別に分担しており,その内訳は消化器外科7名,呼吸器外科2名,血管外科2名です.後期研修医は4名です.それに初期研修医3名を加えて,日々の外来診療,手術,当直業務にあたっております.年間の外科手術件数は局所麻酔手術を含めると約2,700例で,そのうち消化管および腹部内臓領域が944例(食道癌9例,胃癌33例,大腸癌114例,肝胆膵癌28例,胆摘181例,鼠径ヘルニア140例,虫垂炎130例),呼吸器領域92例(肺癌33例),末梢血管領域1,328例です.内視鏡外科手術の症例も多く,腹腔鏡手術は433例,胸腔鏡手術が87例でした.予定手術以外での胸腹部の緊急手術は約120例と救急にも力を入れて取り組んでいます.乳腺外科は独立しており,年間167例の手術を行っています.日本外科学会専門医制度修練施設,日本消化器外科学会専門医制度認定施設,日本呼吸器外科学会認定基幹施設,日本がん治療認定医機構認定研修施設,日本乳癌学会認定医・専門医制度関連施設となっております.当院での消化器外科専門医,日本内視鏡外科学会技術認定医も誕生しており,さらなる取得に向けて努力をしています.当院のみの経験症例で後期研修医は外科専門医の取得が可能な件数となっており,術者としての経験症例数も多くなっています.県外からの短期・長期での研修の受け入れも行っております.また毎年,胸腔鏡手術のスプリングセミナーや腹腔鏡下肝胆膵手術のサマーセミナーといった研究会を開催し,全国から著名な先生にも参加していただき,積極的に知識,手技の獲得にも取り組んでおります.
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