Japanese
English
臨床報告
ネフローゼ症候群の患者にみられた特発性細菌性腹膜炎の1例
A case of spontaneous bacterial peritonitis in a nephrotic syndrome patient
小川 尚洋
1
,
大里 紳一郎
2
,
豊田 清一
1
Takahiro OGAWA
1
,
Shinichiro OHSATO
2
,
Seiichi TOYODA
1
1九州大学医学部第1外科
2九州大学医学部第2内科
pp.501-504
発行日 1986年4月20日
Published Date 1986/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209303
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はじめに
ネフローゼ症候群の患者に特発性細菌性腹膜炎(SBP:spontaneous bacterial peritonitis)が合併することは外国では報告例が多いが,本邦ではほとんど知られていないのが現状である.ネフローゼ症候群の約5%にSB—Pがみられるといわれ1),男女比はほぼ1:12)であり,若年者に多発し3),起炎菌としてはS. Pneumonia,E. coliの比率が高い.肝硬変の患者において,SBPが合併することが知られているが,これは腸管粘膜関門が障害されることにより生じるといわれている4,5).ネフローゼ症候群においても同様の機序によりSBPが生じると考えられる.我々はネフローゼ症候群にSBPが合併した症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
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