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文献抄録
西尾 剛毅
1
,
柵瀨 信太郎
1
1聖路加国際病院外科
pp.242
発行日 1982年2月20日
Published Date 1982/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207894
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頭頸部腫瘤に対する針吸引生検による細胞診について
Needte Aspiration Cytologic Biopsy in Headand Neck Masses/Young, J. E. M., Archibald, S. D. & Shier, K. J.:The American Joumal of Surgery, 142:484〜489, 1981.
目的:頭頸部の腫瘤は種々の病因により起こり,治療もその病因により異なる.それだけにアプローチの方法が非常に重要となる.考えられる病因としては,軟部組織由来,リンパ系由来,甲状腺由来,副甲状腺由来,唾液腺由来,頭頸部,肺,消化管などよりの転移性悪性腫瘍など多種多様である.また頭頸部腫瘤を主訴として外来をおとずれる患者は比較的多い.これらの患者に対して全ての可能性を考えて検査を行えば膨大な時間と費用がかかり,無駄も多い.しかしその反面検査なしに診断を急ぎ気軽に摘出生検を行えば,転移性リンパ節では主病巣の検索に時間もかかり,その後の頸部清掃術が適応となつた場合は手術が困難かつ不十分なものとなる.また放射線治療にあたつては生検創への再発率が高くなると言われている.
そこで簡単なNeedle Aspirationの方法を頭頚部腫瘤に導入し,その診断的意義,合併症の有無等について検討を加えてみた.
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