Japanese
English
臨床報告
胃穹窿部に基を有し長期十二指腸に嵌頓した胃粘膜下腫瘍の1例
A case of prolonged invagination of a gastric submucosal tumor based at the fornix into duodenum
久本 寛
1
,
米沢 美枝子
1
,
牛島 康栄
1
,
佐藤 治良
1
,
大村 敏郎
1
,
石引 久弥
1
,
中津 喬義
1
,
津村 整
1
,
関口 進
2
Hiroshi HISAMOTO
1
1川崎市立井田病院慢性疾患部消化器科
2川崎市立井田病院臨床研究検査部
pp.385-389
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206215
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
胃粘膜下腫瘍は,最近の診断面の著しい進歩に伴い,数多くの報告をみるようになつており,ある程度の鑑別診断は可能と考えられている.しかし,特異な形態を示すものもあり,その鑑別は決して容易ではなく,病理診断によつて初めて確診される場合が少なくない.胃内にある隆起性病変が,時に十二指腸内に脱出,もしくは嵌頓する場合があるが,その術前の質的診断はさらに困難であり,粘膜下腫瘍であるか,ポリープであるかの鑑別さえも困難な場合がある.
われわれは,胃穹窿部に基部を有し,周辺胃壁を茎様にして,十二指腸第II部に長期嵌頓していたと考えられる,胃粘膜下腫瘍の1例を経験したので報告する.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.