学会印象記
学問的進歩の時代に入つた小児外科—第4回日本小児外科学会総会にひろう
森田 建
1
1日本大学医学部第1外科
pp.1294-1295
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204407
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本年度の日本小児外科学会総会は,原爆の地広島において,初夏の日ざしの強い6月9日より11月までの3日間,広大第1外科上村良一会長主催の下に,1000名を越える会員の参集をえて盛会裡に開催された.
従来2日間であつた会期が,今回より3日間に延長されたが,会の内容をできるだけ有意義にしたいとの上村会長の御熱意によつて189題の一般演説のほか,英国Rickham教授をはじめ4題の招持・特別講演,4題のシンボジアム,公開討論会などのスケジュールがぎつしり組まれ,夜は教育講演,スモールグループディスカッションが続き,会場のなかで「この学会ほど勉強させられる会は少ない」との声も出るほどであつた.夜の教育講演の一般公開や公開討論会の試みなどの新機軸を出された会長は,運営面においても一般演題の発表をシンポジアム形式にしたり,座長に小児外科の第一線で活躍している中堅を起用するなど,本学会の性格をよく把えて会の盛上りに工夫されていた点は,会員の一人として筆者も敬服したしだいであり,これを助けて運営の実をあげられた上村外科教室の方々の御努力に感謝の意を表したい.
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