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電子熱交換による生体温度制御
山崎 善弥
1
1東京大学医学部第2外科
pp.240-241
発行日 1966年2月20日
Published Date 1966/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203898
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従来医学領域における低温化操作には,もつぱら氷や冷水が使用されている.また時に炭酸ガスやクロールエチルの断熱膨脹,あるいは機械的方式による冷却方法が使用されてきた.これらの方法は操作が面倒で温度制御も面倒である.
最近の著しい電子工学の進歩に伴い開発された,ペルチェ効果にもとづいて,電気エネルギーを直接熱エネルギーに変換する熱電半導体を用いて実用化された電子冷却方式は,従来の冷却方式に比較して,小型化容易,動く部分がないので静かに動作する,温度制御が容易かつ精密である,冷却加温の切りかえが即座にスイッチきりかえで変えられる.すなわち冷却部が即座に加温部に変転するなどの種々の特徴があり,医学分野で用いると十分その特徴を発揮することが考えられたので,電子冷却の医学応用につき1962年来工学と医学の協同研究が続けられてきた1).
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