Japanese
English
症例
痔核に対する注射療法の危険性について
The danger of treatment of interal hemorrhoid by injection method
弓削 静彦
1
,
山内 胖
1
,
山田 勝義
1
,
福久 由光
1
,
馬場 繁行
2
Shizuhiko YUGE
1
,
Yutaka YAMAUCHI
1
,
Katsuyoshi YAMADA
1
,
Shigeyuki BABA
2
1久留米大学医学部脇坂外科教室
2久留米大学大学院
pp.128-132
発行日 1964年1月20日
Published Date 1964/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203250
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いとぐち
直腸肛門疾患,とくに痔核に対する薬物注射療法は古くから行なわれている方法であり,本法による治癒例も決して少ないとは思われない.しかし反面,本法による合併症や後遺症のため苦悩した患者も必ずしもまれとはいえない.これらは,患者の希望するがままに適応の選定が十分でなかつたものや,注射手技が誤まられたものもあろうが,一方には,これ等の注射療法を用いている人々の多くが,父子相伝の法として公開を拒む傾向にあることも一因をなしていると思われるし,このようなことが注射療法の進歩,ひいては直腸肛門病学の進歩を阻害しているとも考えられる.私共は脇坂外科教室過去10年間における直腸肛門疾患について統計的観察を試みたところ,注射療法による合併症または後遺症と思われる38例を経験したので,その概要を述べると共に,本法に対する私共の考えをも述べておきたいと思う.
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